2011年8月29日月曜日

Road from FUKUSHIMA/その11 イタリア入り

こんにちは。

27日に、リトアニアでのトレーニングキャンプを終了しました。
最後の一週間は、ユルギス・カイリス氏のもとかなりハードな内容のトレーニングが続きました。
なかなか、ブログを書く時間がとれませんでした。スイマセン。

さて、トレーニングを終了したところで天気予報を調べてみると、翌日は寒冷前線が通過してポーランドが大荒れになる予想。 
そこで急いで身支度を整え飛行機に荷物を積み込んで、急きょ夕方にポーランドに向かいました。
日没直前にGatwiceという飛行場に着陸。しばらくすると雨が降り出しました。

その日は、その飛行場にいたパイロットの人の家に泊めてもらえることになり、すでに夜9時だったので好意に甘えさせてもらい、晩朝の御飯までご馳走になり、貴重なポーランドステイとなりました。




翌日は前線一過の晴天。
30分ほど飛んでチェコの飛行場で給油。


そして、スロバキア・オーストリア・ハンガリーを通過。


スロベニア上空。


クロアチア上空。


空族に合わずに、アドリア海を渡れました(笑)
でも、アドリア海は軍事空域ばかりでホントにHOTです。


無事到着!っとおもいきや、なんと排気管の先が破損。
このままでは競技で飛べません。
色々と手配する事3時間、何とか修理のめどがたちました。


今日はこれから午前中に修理を終えて、午後から練習飛行です。



室屋義秀

2011年8月16日火曜日

Road from FUKUSHIMA/その10 FAI公認 「World Elite Aerobatic formula」 in Riga/Latvia

こんにちは。


12日に日本を出国して、再びエスバッハ342を借り受けるために、ドイツ・ライプチヒ入りしました。

13日にリトアニア・ラディシュキスまで移動予定で、10頃にはエクストリーム社に到着し、フィリップ・スタインバッハ氏と打合せ。

しかし、天気を調べてみると今一歩です。
何とかポーランド中部までは行けそうですが、その先はサンダーストームが発達する可能性が高いだろうという予想。
しかし翌日にはドイツの天候も崩れ出す予報なので、とりあえず行けるところまで飛んで行く事に。
結果、リトアニアの国境まで100Kmのところで天候が悪くなり、50kmほど引き返してオルシュティンという町に着陸。


思いがけず初めてのポーランド滞在となったのですが、この空港のエアロクラブの人たちがとても親切で、格納庫の手配、ホテルの予約、ホテルまでの送迎、天気のチェックまで助けてくれ、快適なポーランドステイとなりました。

翌朝は天候もすっかり回復し、リトアニアまで一時間のフライト。
到着後には、車や食材など必需品の準備を整えて、夕方には訓練を開始しました。


そして、昨日はユルギス・カイリスとも合流し、トレーニングを実施。
前回のトレーニングの成果が活きているようで、好調な訓練スタートとなりました。
しかし、課題はまだまだ山積みです。一つずつこなしていくしかありません。


そして今週末は、緊急参戦となった「World Elite Aerobatic formula」です。
http://www.aerobaticformula.com/

このFAI公認の大会には、世界各地から9名のトップパイロットが参戦します。
レッドブルエアレースパイロットからは、ニコラス・イバノフとマーティン・ソンカも参戦します。
超強豪ぞろいです。

この大会は、AAT(Aerobatics Against time)とAF(Aerobatic freestyle)の二種目の合計で争われます。
観客の皆さんが、簡単に優劣を理解できるように工夫され、得点がタイムで表示されるため非常に一般の方にわかりやすいルールとなっています。

AAT(Aerobatics Against time)は、規定演技をいかに早く実施できるかを競います。
しかし、各マニューバーは正確に行わないとタイムペナルティーが課せられますので、高度な技術が求められます。

そして、AF(Aerobatic freestyle)は、3分間の自由演技です。
こちらも技の難易度、芸術性に加えて正確な時間管理が求められます。


これらに向けて調整を行っていますが、今日は曇り空で待機中のためブログ更新です。



室屋義秀


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2011年8月8日月曜日

Road from FUKUSHIMA/その9 サプライズ

昨日、ふくしまスカイパークで行われた、東日本大震災復興チャリティーイベント「スマイリー」 Let's smile FUKUSHIMAにてフライトさせていただきました。
全国各地のハーレーライダーが集合。遠くは神戸から駆けつけた方も!
イベントは大成功に終わったようです。

この企画を立案されたのは、ふくしまスカイパークから車で10分程の所にある、「Vモンスター」。
http://www.v-monster.co.jp/
このバイクショップ、実は全国屈指の技術を誇る、ハーレーダビッドソンのカスタムショップ。
福島が誇る超高技術ショップなのです。
実は、私も飛行機のカスタム部品が必要になると、製作をお願いしています。
込み入った内容の部品を製作する場合に駆け込む先で、大変お世話になっているのです。

そしてこの日はハーレー以外にも、世界一流のライダーがチャリティーで駆けつけてくれました。
エクストリーム・バイクスタントの小川裕之さんです。
http://profile.ameba.jp/motoxtreme/
小川選手は、数々の選手権に参戦中の新進気鋭のライダーで、素晴らしい技を披露してくれました。
午後には、飛行機とのレースも実施!
とてもプロフェッショナル!さすがでした。


そしてエアショーが終わり、TUFのテレビ取材のため滑走路でインタビュー撮影。
それが終わり展示場に戻ると、なぜかドアが閉まっています???
あれ?もうみんな帰ったのかな??なんて思っていると、ドアが内側から開き、おそろいのTシャツを着た仲間が並んでいます。
?????っと目をきょろきょろしていると、突然セレモニーがスタート。
そうなんです、WAC参戦の壮行会をサプライズで準備してくれていたのです。
オリジナルTシャツ、国旗に寄せ書き、などなどたくさんいただきました。


何といっても、いただいたのは「力」。
やはり数知れずの多くの仲間に支えられて、世界選手権の舞台に上げていただいている事を実感しました。
それと同時に、コクピットでの戦いは孤独だと思い込んでいた間違えを実感。
戦いに疲れ、心が折れそうになる瞬間は多数あります。
そんな時は、こうしていただいた「力」の助けを借りて、険しい道を乗り越えていきます!

皆さん、本当にありがとうございます。

室屋義秀

2011年8月3日水曜日

あずま球場&但馬空港フェスティバル 復興記念フライト

こんにちは。

先週、金・土・日曜日と続いた復興記念フライトは全て無事に終了しました。
日本列島が高気圧の谷間にあり、非常に不安定な天候でしたが、皆さまの祈りのおかげ(テルテル坊主ありがとうございます!)で、奇跡的な青空のもとでフライトする事ができました。

7月29日は、福島市にあるあずま球場でのプロ野球ヤクルト×巨人戦でのフライト。
まさに地元で、ふくしまスカイパークからは2分の飛行で到着する距離です。
午前中は土砂降りで、フライトどころか野球の開催も危ぶまれましたが、午後から急激に回復。
フライト時間には青空の下でフライトを行う事ができました。


あずま球場は、あずま総合運動公園という巨大な運動施設の中にあります。
野球場・陸上競技場はじめ多種多様なスポーツ施設があり、すばらしく整備された公園です。

ここには大型の体育館もあり、震災で被災された方が未だに500名ほど避難生活を続けています。
当初は、2000人以上を収容していました。職員の皆さまも被災している中、献身的に対策にあたられている姿には福島の人々の強さがあらわれていました。
5月1日に、私たちも、この避難所で生活を送る子供たちをふくしまスカイパークに招待したこともあり、今回のフライトは、復興祈念として力を入れて準備を進めてきました。


そして、私のフライト中バッターボックスには、巨人軍の坂本勇人選手が!
そう、坂本選手もレッドブルアスリートして活躍している仲間なのです。

二人で「福島に希望の翼を授けよう!」と実現された今回のフライト。
サポートしていただいているレッドブルは勿論のこと、多くの方々にフライト実現のために尽力いただきました。
ありがとうございました。


そして翌日は、但馬空港フェスティバル
早朝06:00に、ふくしまスカイパークを離陸して但馬空港へ向かう予定でしたが、天候回復を待って08:00に離陸。
太平洋側を迂回して飛んだために直行できず、名古屋空港でピットストップして給油し、但馬空港へ11時過ぎに到着しました。
現地の天候も若干心配される中、2日にわたって予定通り全てのフライトが実施されました。

1995年のブライトリングワールドカップの開催からから始まり、日本のアクロバット環境をリードしてきた但馬空港フェスティバルですが、今回は下記のようなサブテーマを設けられていました。
このようなイベントに、私たちが東北から参加させていただいた事は本当にうれしい限りです。


 さらに今年は、フェスティバルを通じて「心の元気」を作り出し、経済を元気にし、東日本大震災の被災地をはじめ、全国に夢や希望、そして支援の輪を広めようと「がんばろう、日本」をサブテーマとして開催します。


さらにレセプションパーティーで、中貝豊岡市長と話をさせていただいたのですが、豊岡市は震災直後から職員を被災地に派遣し、救援物資の輸送なども迅速に対応されていたとの事でした。
混乱の中迅速な手配が出来たのは、このようなイベントなどを通じて知りえた個々の人的ネットワークがあったから、だったそうです。
市長はイベント中もずっと会場にいて、またパーティー中も最後まで参加者の皆さまの話を熱心に聞いてらっしゃいました。
やはりこのような長があって、このような素晴らしいイベントが開催されるのですね。


室屋義秀

Photo:Taro IMAHARA