2010年6月18日金曜日

レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ2010 第5戦 NYラウンド報告


残念なことに、チーム室屋は今回のニューヨーク戦もリタイアを余儀なくされました。カナダ・ウィンザーでキャノピーを破損する不運に見舞われた後、チームは大急ぎで別の機体を手配し準備を進めました。また、室屋もニューヨーク戦のためにニュージャージーに移動する前に、新しい機体と共にウィンザーに残り、できる限りのトレーニングを行っていました。

その後、ぎりぎりの天候の中ニュージャージーのレースエアポートに移動しましたが、滑走路に着陸した際、プロペラを地面に接触させてしまいました。その修理を終えるのに十分な時間がとれなかったことなどから、今回のニューヨーク戦についても大変残念ではありますがリタイアをする決断をしました。チーム室屋はここ2週間で起きたあらゆる問題を改めて検証し、レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ2010ヨーロッパラウンドでの復帰に向けてチーム一丸となって取り組んでいます。

ウィンザー戦に続きニューヨーク戦もリタイアせざるを得なくなったことはチームにとっても大変遺憾であり、応援してくださっているサポーターやファンの皆様に対しても申し訳なく感じています。ヨーロッパラウンドでも引き続き皆様のご声援をよろしくお願いいたします。


Posted by Team MUROYA Racing

2010年6月14日月曜日

ウィンザー戦 詳細

さて、前回の続き。

翌日、土曜日は予選が始まりますがTeamMUROYAはニューヨーク戦に向けての準備を朝から進めています。

まずは、自分の機体の修理方法・場所の確定をする必要があります。
キャノピー関係の部品はすべてドイツにあることから、機体はウィンザーからドイツに送ることに決定。
行先はエクストリーム社という新鋭のアクロ機専門会社です。このエクストリームという機体は2008年にモテギでも飛んだのでおなじみの方もいるのではないかとおもいます。
ということで輸送コンテナ手配・通関書類準備・NY行きの部品との整理などなどを行いながら分解して箱詰めしていきます。

ここでひとつ問題となったのは、垂直尾翼です。 昨年と変わってHDカメラが搭載されるようになった関係から、垂直尾翼前面に大きな穴をあけなければいけないのです。
レンタル機には当然穴が開いていません。色々検討した結果、自分の機体の垂直尾翼を取り付けることに・・。フィットしないと思われたのですが難なくフィット!ということでテール部分だけゴールドの機体となっています。
ニューヨーク戦の写真で確認してくださいね!

日曜日も作業を進めエンジン関係の調整やレギュレーションに合わせた部品の取り換えなどなど終日作業が続きました。

月曜日は早朝から、自分の機体のコンテナ積み込み作業。
それが終わるとレンタル機のエンジン調整とテストフライトとが結局夕方19時までかかり、整備士の西村さんは、デトロイトからロサンジェルスに帰る飛行に飛び乗る始末でした。



ということで一段落!
さすがにチョッと休暇!といことで2日間、ナイアガラの滝・トロント観光に行ってきました。
帰りはピート・マクラウドの家に遊びによってランチをしてきました。




室屋義秀

2010年6月13日日曜日

代替レース機をオクラホマから


こんにちは。久しぶりのブログ書き込みです。
先週は、まあ色んな事がおきましてブログを書いている時間はとれませんでした・・・。

以前のブログに書いたように、レース機は2週間前に組み立てを行って改造+調整を入念に行ってきました。
そしてウィンザーに乗り込み、テストフライトの2日目(61日:火曜日)に飛行中に突然キャノピーが開き破損。吹き飛んだキャノピーが水平尾翼にもあたり、水平尾翼にもダメージを受けました。
その後すぐに、キャノピーそして水平尾翼の修理について各所に問い合わせをしましたが、キャノピーはハンドメイドの特注品のため、ウィンザーはおろかニューヨーク戦も間に合わないことが判明。困り果てていたところ、ハンネス・アルヒから、昨年まで使用していた機体が、オクラホマシティーのエッジ社に置いてあるとのことで、レンタルしてもいいという話になりました。しかしこの機体は分解された状態で、しかもエンジン・プロペラまでが外れた状態とのこと・・・。レースに参戦するためには、組み立てを終えて、木曜日の夜までにウィンザー入りし、徹夜で機体の準備をして金曜のトレーニングセッションを飛ぶ必要があるので、時間的に非常に厳しい条件でした。

とはいえ、ニューヨーク戦で必要となるのでとりあえずオクラホマへ行くこととし、翌日水曜日、早朝にデトロイトから出る航空券を何とか確保して、オクラホマへ向かいました。
オクラホマについてみると、今度はレンタカーがありません・・・。なんでも最近大きな雹が降って車がほとんどダメになっているとの事・・・。そこで町中までタクシーに乗ってレンタカー屋をあたっていると、やっと一台確保できエッジ社へ向かう事ができました。

さて、エッジ社のあるガスリー空港に到着してみると、話の通り機体は分解され、エンジン・プロペラまで外れています。挨拶もそこそこに作業を開始。組み立てを開始してみると色々な部品が足りません・・・。ロバートさんはあちらこちらに電話をかけまくって手配をし、すべて翌日の朝1000着のUPS宅急便で到着する手はずが整うという際どい状況。 また、夜は20時ぐらいには格納庫を閉めるということなので、徹夜で作業可能な格納庫を探しまわりましたが、結局見つからず、21時頃まで作業させてもらってホテルへ。

翌日は5時に起きだして作業開始。
今日・木曜日の15時までに離陸してウィンザーに向かわなければ、レース参戦は出来なくなります。
整備士の西村さん&ロバートは休憩も食事も取らずに作業を進める一方、私はウィンザーまで飛ぶ準備を開始。国を超えて行くので色々と手続きが煩雑で、準備に一時間ほどかかります。航空図も何もないので、探し回っているとオクラホマ市内で販売する店を発見。車で40分ぐらいのところなので早速向かいます。
その間も組み立て作業をしていて足りない部品が続出・・・。細かい部品は何とか調達出来たのですが、無線機のアンテナが無いとの電話が・・。オクラホマ市内で探し回りましたが、販売しているものが見つからず、途中で発見した航空無線専門店で使っていないものをタダで恵んでもらい解決しました!
っとまあ、そんなこんなで買い物を終了してガスリーへ戻っていると、田舎の真っ直ぐな高速が渋滞・・・・。なんでこんなところが渋滞するの???と思ってそこを通過するとUPSのトラックが事故してました。
んんん、まさかこのトラックに自分たちが昨日頼んだ部品が載ってはいまいなー???なんて思いながらガスリーに戻ってみると、UPSがやはり到着していません・・・。
しかし1200ごろには到着し、聞いてみるとやはり事故していたとのこと・・。まったくなんというタイミング・・・。
その後もエンジン関連のホースが足りなかったり、あれやこれやとあったのですが、1430にエンジンがかけられる状態になり、いざ乗り込みました。
そしてスイッチオン!!っとスタートボタンを押してみましたが、ウンともスンともいいません。色々チェックしてみると普通は外すことのないスターターの一部品が外されていていました・・・・。
っとまあ、おしいところで時間切れ。
その後色々と調整を繰り返して結局2000まで作業してやっとごはん。
何も食べずに作業していたので皆フラフラでした。

翌日・金曜日も朝0700に格納庫に集合し最終調整を行って、テストフライトをしてからウィンザーに向けて出発しました。同時に西村・ロバート両氏は、オクラホマからエアラインでデトロイト経由で戻ります。
ウィンザーまで4時間のフライト予定。2時間ほど飛行して給油のために着陸。アメリカではセルフのガソリンスタンドは普通で、クレジットカードでいつでも給油できます。



着陸し給油を済ませて、さあ昼ごはんと思いきやこの空港にはレストランも何もありませんでした・・。チョコバーの自動販売機はあったのですが、店員は昼休みなのか誰もいなく、自分もカナダドルしか所持してなく買えません・・。
よだれを垂らしながらチョコバーを見つめること数分、あきらめてウィンザーへ飛び立つことに・・。
その後2時間飛行し、デトロイトの管制センターから国境超えのスクオーク番号をもらってカナダに入ると3分でウィンザーに到着。

ホットする間もなく、機体のブランディングチーム・カメラチームなどが群がって作業を開始します。そうこうしているうちに、西村・ロバート両氏もウィンザーに到着。結局夜2100まで作業をしてホテルで休みました。
さすがにキツカッタ・・・。

続く。

2010年6月4日金曜日

レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ 2010第4戦 カナダ/ウィンサー

大変残念ですが、Team Muroyaはレッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ第4戦のリタイヤを余儀なくされました。

ウィンザー空港上空での練習中にアクシデントが発生し、コクピットのキャノピーが大きなダメージを受けてしまいました。
残念ながらキャノピーは特注品で今レースに間に合わせることは不可能でした。新しいキャノピーの製作には約3週間かかります。
チームにとって最も悔やまれる事は、ウィンザー戦の2週間前から行われていた機体改造により機体の性能が劇的に向上していたという事です。

ハンネス・アルヒの好意によりウィンザー戦、ニューヨーク戦に関しては彼が2009シーズンに使用して機体を借りられることとなりましたが、機体はオクラホマのエッジ工場に分解されて保管されていて、エンジン等を組み立てる必要がありました。

Team Muroya は、ウィンザー参戦を目標に機体の準備/組み立てを2日間徹夜で行いました。機体は組み上がりましたが、残念な事にレースにエントリーするデッドライン(現地時間6月3日15時)までに電気系統のトラブルの為エンジンが掛かる事は無く、出場辞退を余儀なくされました。

昨年の練習中のウィングの破損によるリタイヤに続き、どうやらウィンザーはTeam Muroyaにとって鬼門となっているようです。来年こそは、3度目の正直となりますので、ご期待下さい!

ウィンサー戦リタイヤ後の室屋のインタビューはこちらでご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=MUwEIp5BMTk

Posted by Team Coordinator Robert Fry

2010年6月1日火曜日

こんにちは。




昨日レースチーム一同カナダ/ウィンザー入りしました。

といっても、チームコーディネーターのロバート・フライは、リオデジャネイロから帰国せずにウィンザー入りし、エッジの組み立て~改造する飛行場までのフライト~作業とこなしていました。

私も24日(月)に、こちらにきました。



改造は、新システムのエンジンカウリングの作成がメインです。

改造場所は、川を越えたアメリカ内のジャクソンという場所にある、エアパーク。

そうです、滑走路つきの家といった場所で非常に快適に過ごしました。





ハンガーの中には、水上機が2機+パイパーカブ!
いやはや、おもちゃ箱のような場所ですが、この水上機はウィジョンというクラシックな名機。
オーナーは、エアラインのパイロットですが、整備士+検査官の資格まであり、自分の飛行機たちの面倒をみています。
工場は、旋盤からなにからすべてそろっていて、小さな整備工場よりよっぽど設備が整っていました。






ここでの最終日には、ウィジョンで湖へ遊びに行き一休みしたところで、国境を越えてウィンザー入りしました!



さて、明日もテストフライトです。

この辺でそろそろ寝まーす。



                                室屋義秀