8月7日・8日と行われた「みんなで大空を見上げようAgain」。
快晴に恵まれ、ブライトリングジェットーチームの見事な飛行により福島県民は、大空を見上げる事ができました。
支えていただいた多くの関係各位に心より感謝いたします。
*J-sportsで放送された番組です。通常ユーチューブなどで公開される事はありませんが、J-sportsの英断により復興支援のため特別公開されています。
すでに三週間が過ぎましたが、このプロジェクの背景(余談)です。
5月12日の小名浜でのジェットチーム・ジャパンツアーの予定が終了し、フルディスプレイが出来なかった残念さは残りつつも、一年間準備に準備を重ねてきたフライトが無事に終了し、ホット一息ついてもいました。
人間など自然には絶対に勝てません。なのでパイロットは天気とは戦いません。
残念な一方、判断基準は正しかったとして、責務は100%終了したと感じていました。
そして、関係スタッフ一同は膨大な準備作業に疲労困憊で休暇が必要な状態でした。
そんな時に、福島市内の小学5年生から課外授業の講師としての話をいただきました。
小学3年生から毎年テーマを決めて、そのテーマに沿う人を呼んで研究しよう!というものです。
そのテーマとは;
小学3年生:Wing
自分達はどんな翼を持っているのか? 自分のいい所、得意な事など、自らを再評価して、畳んで見えない翼を開こう、というもの。
小学4年生:はばたき
3年生で見つけたWingをどのように使えば、羽ばたき飛び上がれるのか?を研究しようというもの。震災後に行われた「光のしずくプロジェクト」に手書きポスター作製など協力するなどして、ともかく羽ばたき行動する大切さを学んだとの事。
小学5年生:Rising
そして今年のテーマがRising.
羽ばたく事を知った彼らが、空の彼方に昇っていく方法を探すというもの。
最近の小学生はスゴイいんですね~。
この講師役は、なかなか簡単ではありません。
っと、こんなテーマをいただいて色々と考えていました。
そんな時に、ジェットチーム再飛行の話が舞い込んできました。
正直に暴露してしまうと、再度の準備は飛行許可の取得など多数の困難が予想され、裏方としては出来れば避けたい感じもあるやないや・・・。
5月にほぼ燃え尽きて、まだ回復しきっていない状態だったのです。
でも・・・、小学生のテーマに沿って考えてみると。
一年間の準備でノウハウは既に蓄積して、Wingはあるから、羽ばたいてみるか否かかァ・・・。
そこで、現場で矢面に立つ主要なスタッフに意見を聞いたところ、意外や「やりましょう!」という答えでした。
そしてみんなで再度、羽ばたいた結果、到底とび越えられない山を越えてしまいました。
そして、Rising。
ジェットチームは見事にフライトを実施。
さらに、フライトの最後に震災で亡くなられた方に向けて、追悼飛行編隊(ミッシングマンフォーメション)を添えて、帰っていきました。
会場の多くの方が目を閏わせていました。
5月に叶わなかった、フルディスプレイ。
福島県民がジェットチームに感謝しつつも、その後に「やっぱりだめか~」という微妙なしこりを感じていました。
震災後の苦しい現状と戦う福島県民にとって、「やっぱり」と関連付けたくなるのは、当然かもしれません。
でも、でも、でも。
再度立ち上がって、奇跡の再来を実現した本当の英雄達。
天は見放さず好天を恵んでくれました。
このイベントを通じて「Rising」を学びました。
奇跡を起こすヒントをいただいた県民は、これらの思いを感じて目を閏ませたのでしょう。
この小学生達がいなかったら、ジェットチーム再来の裏方は引き受けなかったかもしれません。
こんな素晴らしい教育を受けた子供たちが、日本の未来を背負ってくれれば安心ですね。
室屋義秀