2011年1月11日火曜日

操縦士道/その5 「モヤモヤ」の正体

こんにちは。
早速、前回の続きから。


非常に中途半端な状態で突入した受験勉強ですが、やはり身が入りません。
そこで今度は、「勉強をしすぎると目が悪くなる」という理由を思いつきます。
またしても名案(迷案)を思いつき、逃げ道を確保していきます。

でも、時々例の「女性教官との恋」のシーンが脳裏に浮かんできます。
その度に、どうしたら現実になるのか妄想を繰り返していました。

時間は常にペースを保ってヒタヒタと進みます。
 あっという間に、受験日がやってきました。

まずは東京の高校に比べ、受験日が2週間ほど早い千葉県の高校受験です。
まずは、確実に受かる滑り止めを受けて安心を確保する作戦。
手ごたえもあり合格間違いナシ、と確信していたのですが、まさかまさかの不合格。

またしても、「サボり」が手遅れ状態を招いてしまいました。
残るは、東京の難関高校のみ。
今までの成績を考えると合格率は、5%ぐらい。
残り2週間となった時点で、打てる手は少なく目の前は完全に真っ暗です。

自らがこの状況をうんでいる事にすら気づかずに、「採点間違えだ」という事でまたしても逃げ出します。
しかし、もはや残る逃げ道も僅か。
さすがに落ち込んで、絶望の淵で疲れ果てて眠りにおちました。

眠りに落ちた頭のなかで、女性教官が出てきました。
夢でのご対面はお初なのに、なんとバーでいい雰囲気になっていきます。




これは!と思ってドキドキしていると、なぜかそこに奇跡のゴールを決めたA君が登場。

A君は、あっと言う間に彼女を口説いて連れて行ってしまいました。



そこで、ハッと目を覚ました私は怒りにふるえています。
ヒーロの座に加えて、「彼女」まで連れ去るとは許せん!
 
でも、これが自らの行動を振り返る大きなきっかけとなりました。
A君との違いを考えてみると、身長や学力など大した差は無い気がします。
日々のつまらない事を、ひたすらに頑張ったか否かだけのような気がします。

そして、「日々の地道な努力は、奇跡を受け取る準備なのか? よくわからんが、どちらにしても努力が無ければ奇跡は絶対起こらない。」と気づくのです。
いや、とっくに気づいていたのです。そうです、何度も出てくる脳みその「モヤモヤ」です。
心の奥底で気づいていたのですが、それを認めると頑張らない理由がなくなります。
だから正体不明の「モヤモヤ」に形を変えて現れていたのでしょう。

その事に気づいた私の行動は大きく変わりました。
A君の奇跡のゴールをイメージしながら勉強に熱中します。
ドラゴンボールで言うところの、スーパーサイヤ人(古!)状態。

そして、2週間不眠不休で臨んだ最終試験。

奇跡の合格。

何と試験問題の半分近くが、直前に勉強した内容だったのです。



たった2週間の努力で、奇跡が起こりました。
自ら望む道がほんの少しでも見えた瞬間に、人の行動は大きく変わるようです。
きっかけは何でもいいようです。
チョット心に引っかかったものというのは、何かの暗示なのかもしれません。


人間には不思議な第六感があるのでしょうか?
この疑問については、また追っていきたいと思います。


                               つづく。

                   室屋義秀(むろやよしひで)
                   レッドブル・エアレース #31  

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