2011年1月17日月曜日

操縦士道/その7 高校サッカー最終戦

こんにちは。
さっそく前回の続きから。

高校2年生の後半になると、上級生もいなくなり「天下」が訪れます。
練習の主導権も自分たちが握り下級生にはやりたい放題です。(笑)
みんな、根性トレーニングはあまり効果が無いことを実感しつつも、自分たちの味わった苦痛を後輩に伝承する「楽しみ?」はやめられないようです。

我々が多くの疑問を抱くようになり、効果的なトレーニングについて議論をするようになりました。
しかし、実際にはどうしていいかわからないので、なかなか改善されないまま3年生の夏に行われる最終戦に向けて焦りが募ってきます。

そのみんなの強い思いが「念」となって現実になる出来事が起こりました。
3年生になると、日本体育大学を卒業したばかりの現役選手が教員として配属され、サッカー部顧問になる事に!
私立高校の教員は基本的に異動がないため、新任教師しかも現役選手などというのは、200年に一度の奇跡なのです。

えっ、「念」なんて関係無い?偶然だ!
まあ、そうかもしれません。でも奇跡だと思って喜ぶと次の奇跡を呼び込む感じがしますが。
トレーニング内容は一変しました。
当然厳しいトレーニング内容でしたが、はじめて味わう本格的なもの。
みんなの技術が一気に向上していきます。
今までの根性トレーニングが馬鹿らしくなります。
(今となっては、この時期の根性トレーニングも大いに意義があると思いますが・・)


そして迎えた最終戦。

(写真はイメージです)




三回戦まで進み敗退。


この程度の弱小チームでしたが、目標としていたレギュラーで終了。
8年のサッカー経験から、自分には才能が無い事ははっきりしました。
しかし、結果はさておき、経過の目標としては十分に満足していました。
そして、やり遂げた事で中学時代のトラウマを克服できた事が、その後の人生に大きな影響をもたらしていきます。
自分の得意とするほんの一部の能力を楽しみながら伸ばしてあげることで、その他も引きずられるように伸びた結果でした。


そして新コーチからを迎えての経験から学んだ事。
トレーニングというものは、ハイレベルなコーチから正しくシステマチックに行うことで、その効果が数十倍になる事を実感させてもらいました。


これらの経験が、今後のパイロット人生に大きな影響を与えていくのでした。


                  つづく。


                   室屋義秀(むろやよしひで)
                   レッドブル・エアレース #31  

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