2011年5月28日土曜日

Road from FUKUSHIMA/その4 コーチ確定

こんにちは。

来週、6月4日(土曜日)に幕張でデモフライトを実施します!
14:15と18:00の二回を予定しています。

このフライトは、FATBOY SLIMなど超大物アーティストが集う「ビッグビーチフェスティバル」の、イベントの一部として実施されます。
今年は何と、ユルギス・カイリスを迎えて2機によるパフォーマンスを予定しています。ユルギスは、G=SHOCKブランドの、スホーイ26に乗機予定です。

世界最高レベルのフライトパフォーマンス、詳細はこちらをごらんください!

さらには、F1も日本の公道を初めて走っちゃいます!



さて、こんなフライト予定がありユルギスと打合せを行うかたわら、WACへ向けてのトレーニングについて色々と相談していました。
トレーニング候補地として、ドイツを予定していたのですが、飛行場の都合で使用不可になり、替わりにイギリス・ベルギーなどでのトレーニングを模索していましたが、飛行場・コーチ・資金面から難題でした。
そんな相談をしていると、最終的にユルギスがコーチを引き受けてくれる事になりました。

彼はその明るくオープンなキャラクターから世界中に多くのファンがいます。

しかしその一方、我々競技パイロットの中では「孤高の人」と呼ばれ、弟子をとることは無く、その神業といわれる操縦技術の秘密は深いベールに包まれています。
私も7年にわたってチームを組んでいますが、その神髄はまだみせてもらえません。

今回の震災で困難な状況に陥ったのをみて、特別に助け舟をだしてもらえる事になったのです。
6月下旬よりリトアニアで20日間にわたりトレーニングを実施する目処がたちました。

震災がなければ、コーチングの実現は一生無かったかもしれません。
人生何が幸いするかわかりませんね。


室屋義秀

2011年5月20日金曜日

Road from FUKUSHIMA/その3 再始動

おはようございます。

8月31日から、イタリア・フォリーニョ(Foligno)で開催される、WAC=FAI World Aerobatic Championshipsに向けて再始動しました。

震災後、緊急機支援体制にあった「ふくしまスカイパーク」も、5月2日より徐々に通常運用体制に戻りつつあり、そんな中で最低限の訓練をさせていただけるようになりました。


今週はトレーニングキャンプと設定して、集中的に訓練をおこないました。



スケジュールの変更で、コーチの確保が出来ないのですが、レッドブル・エアレースで使用していたオンボードカメラや地上カメラなどを駆使して、独自に解析を行い訓練を組立ました。

これが予想以上に成果のあるものとなり、コーチ不在のハンディーをかなり埋める事が出来そうです。

困った末に編み出した方法ですが、もしかしたら今後訓練の主流になるのでは?なんて思いました。

訓練の成果は、一回目の集中トレーニングとしては、非常に満足のいくものでした。
肉体的な反応もスタートとしてはとても良くて、昨年から取り入れている各種トレーニングが功を奏している感じです。
このあたりの内容は、また紹介します。


しかし、まだまだWACまでに解決しなければならない問題が多数あります。
現地での参戦機体確保、ヨーロッパでの訓練場所確保、そして資金の確保も。


とりあえず一歩一歩進んで行くしかないようです。


室屋義秀

2011年5月2日月曜日

夢ふくらまそう福島の空 (少年少女航空教室)

こんにちは。

久しぶりの更新となりました。
というのも4月中は災害復旧関連の対策に加えて、WACへの参戦を再度現実のものとするための準備で、あちらこちらをとびまわっていました。
参戦に向けて多少の感触を得ています。ゴールデンウィーク以降に経過報告出来る状態にしたいと思います。


今日は、ふくしまスカイパークに近隣の避難所の子供たちを招待して、少年少女航空教室を開催しました。
「夢ふくらまそう福島の空」と題して、ふくしま飛行協会が企画して実現したもので、実施には福島市も後援していただきました。
震災翌日から一日も休むことなく、ふくしまスカイパークを守ってきた職員が自ら企画し実現しました。


子供たちに何か出来ないか?という思いで準備を進めてきましたが、逆に子供たちから色々と教えてもらう事になりました。
子どもたちは、不便な生活による不満は当然かかえているのですが、状況は状況として客観的にとらえているように感じました。
なのでそれはそれとして順応しつつ、しかしそれが自らの夢には何ら影響を与えていないようでした。

そんな風に感じて、自らを振り返った時に、震災を「やらない、出来ない理由」として利用したい自分がいる事に気づました。 
これだけの震災であれば、誰もが「やらない、出来ない理由」として認めてくれるのは間違いないでしょう。

実際に影響を受けて、出来ない事も多々あるのは事実です。
しかしその事と、心を折りたたんで妥協する事とは全く別の事であると気づきました。
そして、それをうまい具合に理由づけしようと画策するもう一つの思考に気づかせてもらったのです。

こんな具合で、すっかり子供たちに教えてもらい、私自身が救われる結果となりました。
準備したスタッフもみんな楽しませてもらいました。


やはり自分の目標は「操縦技術世界一」。 
9月のイタリア世界選手権に向けて、福島の地から戦っていきます!


                                                    室屋義秀
                   レッドブル・エアレース #31  


朝日新聞記事:http://video.asahi.com/viewvideo.jspx?Movie=48464141/48464141peevee386802.flv